<今回の登場人物>
〜取材開始!〜
『初めまして。鳥取大学農学部の小倉と申します。』
『同じく農学部の浜川です!今日はよろしくお願いします!』
『鳥取銀行の千村です。よろしく。』
『銀行は貯金をするところというイメージしかないです( ^ω^;)今日は銀行員さんについて沢山教えてください!!!!』
『うーん……』
『え?話していただけないのでしょうか?』
『……実はね。』
はい…(ごくり)
『僕には銀行員らしいことは話せないんだ。』
『銀行にお勤めなのに?』
『実は鳥取銀行の秘書室という部署に8年間もいてね。30代という銀行員の経験を多く積むことができる時期に、銀行員らしく働くことができなかったんだ。だから、融資や金融商品を扱うような業務の話はあまりできないかも。』
『そうだったんですね。では、秘書について伺ってもいいですか?秘書っていうと社長さんの側でスケジュールの管理をしたりと、お世話をしたりするイメージがあるんですけど…』
『うん、そんな感じ。ちなみに、銀行では社長のことを頭取と呼ぶんだよ。簡単に言うと秘書の仕事は頭取や役員のお世話かな。』
『めったに会えないような偉い人に会えるなんて貴重ですね!楽しかったですか?』
『いや、異動を知らされたときはびっくりした。本当に不安でいっぱいだったよー。』
『秘書室を希望されたわけではないですよね?』
『秘書室に希望を出す人なんていないよ。みんな銀行員らしく働きたいからね。異動希望を書く書類の選択肢にも秘書室はないしね(笑)』
『暗黒の8年間でしたか?』
『最初はね(笑)でもずっとじゃないよ。得たものが大きいし、人として成長できたから充実していたよ。』
『そうなんですね。どのようなものを得られたんですか?』
『聞く力がついたと思う。秘書って自分自身が前に出る仕事じゃないんだよね。だからこそ、話の聞き方や対応の仕方などを学ぶことができたと思うよ。』
『そのような聞く力は現在、人事部長として活かされているんじゃないですか?』
『そうかもね。』
『そういえば、異動も人事が決めてるんですよね。異動はどのように決めてるんですか?』
『社員がその部署でどう動くかをイメージするね。まずは、ある部署に人を入れるときに、そこの上司だったり、業務だったりに合う社員を考えるんだけど、それぞれの人ごとに、この人が入ったらどうなるのかな~?っていうの想像してみるんだよ。』
『でも、社員さんは1,000人近くいるって聞きましたよ!一人ひとりの人柄や能力を把握できるんですか!?』
『うん(笑)もちろん完璧ではないけど。
3年かけて、社員みんなの顔や名前、悩みくらいは大体わかるようになったかな。』
『悩みまでわかるんですね!すべてお見通しですか?』
『いや、主観的な見方になってしまうかもしれないから、周りの人と意見交換しながらだよ。』
『人事って大変な仕事ですね!やはり秘書室での経験などが活かされていますね!』
『そうだね。大体3年ごとに異動があるから、いろんな経験をしてきたよ。僕は環境が変わることがあんまり好きじゃなかったけど、今思うとたくさんの場所での経験ができて良かった。だからこそ、ぼくと同じようにたくさんの経験をしてほしいって思いながら今は人事として人材育成をしてる。秘書室は別だけど(笑)。』
『社員の異動を考えるときに、社員の成長も考慮して決められてるんですね。』
『うん。でも、みんなに僕のようになれと言う理由で様々な経験をすることを薦めてるわけではなくて、お客様の納得できるサービスを提供するために必要だと思うんです。
というのも、昔の銀行はお金を貸して利子で儲けてたんだけど、今は経営相談やビジネスマッチングなどアドバイスするような仕事が増えてきたっていう現状があってね。そういったアドバイスをする時に、実際の経験に基づいて社員自身の言葉を伝えられることが大切だと思う。銀行員としての基礎はもちろん必要だけどね。』
『銀行の業務はなぜ変わってきたとお考えですか?』
『一番大きいのは人口減少かな。鳥取が元気じゃないと、鳥取に本店がある鳥取銀行もうまく続けていくことができない。だから人事部という管理部門でも人材育成を通して、鳥取を元気にしたいと思っている。鳥取の元気は企業の支援や雇用の創出からだからね。』
『ここまでで秘書、人事についてはよく分かりました!ありがとうございます。でも銀行には他にもいろんな部署がありますよね。』
『えーっと、沢山あるからな~。
パンフレットにまとまっているから、ちょっと持って来てもらおうか。』
『失礼します。パンフレットお持ちしました。』
『ありがとう!実は彼女、髙橋さんは、今年度入社で広報を担当しているんですよ。』
『え!1年目から広報!?』
『高橋さん変わってるからね(笑)面白い話聞けるかもよ。』
『えっと!じゃあ広報の話、聞いてもいいですか?』
『えー!? わかりました(笑)広報は企業のイメージを形成するのが仕事です。社内報を書いたり、写真を撮ったり、マスコミの対応をしたりと。そういう意味では頭取さんとはよくお会いする機会があります。』
『あれ、言ったっけ?俺も広報やってたことがあるんだよ。半年で異動になったけど(笑)あと、高橋さんは鳥取銀行には珍しい県外出身者なんだよ。』
『どうして鳥取に来られたのですか?』
『旅行に来て良い所だな~って思って(笑)』
『旅行で決めたんですか(笑)それって地元の人と話してみて印象が良かったとかですか?』
『そうですね! 元々、地元を出たくて。旅行した結果、中国地方がいいなって思いました。それで米子のお試し住宅に住んでみて、バイトをしたりしてみて、鳥取なら自分が自分らしくいられるなって思いました。』
~10分ほど鳥取の良さや東部と西部での人の気質について語る~
『最後にお二人の鳥取銀行での目標を教えてください!』
『頭取とかって言えばいいの?(笑)まあ、入った当初は支店長くらいにはなりたいとは思ってたかな。でも、今は今のポジションでできることを今後もしっかりこなしていくのが目標です。少しでも働きやすい職場にすることと、個人個人のペースにあわせた人材の育成ができたらなって。人事部でしかできない、みんなが気持ちよく働ける人材育成に務めていきます!』
『高橋さんも教えていただけますか?』
『わたしは…。そうですね~。あ、これって広報としての話をしたほうがいいですか?』
『君がどうなりたいかでしょ(笑)』
『個人的な目標でお願いします!』
『私は東京からこっちへ来て思うんですけど、鳥取って小さい共同体だなって。そんな小さな共同体で、何か大きなことをしたとする。それで、この県で起きたことが日本全国に広まって、認められたらすごくないですか?』
『確かに、鳥取は何かを始めたり、挑戦するには良いところですよね!』
『そうなんです。そして、そういう人を応援したり、一緒になって考えられたりする立場になれるお仕事があればわくわくすると思うんです。どんな形であっても「鳥取県すごいぞ!鳥取県で面白いことやってるぞ!参加してみたい!」って思える県づくりをしたいと思います!』
『そういう発想って県外者だからこその視点かもしれんな。』
『ゆくゆくは、地方創生につながる自分のプロジェクトとかを始めたいってことですか?』
『そうですね!すぐには難しいかもしれないけど。』
『本業もしっかりやっていて、みんなを納得させられるようなプロジェクトなら鳥取銀行は応援するよ。』
『がんばります!』
『10年後くらいに高橋さんにアポとりますね!本日はありがとうございました!』