『働いていて良かった』と思える会社に ー 有限会社村岡オーガニック 村岡朋典さん

※この記事を読む前に朋典さんの兄である、
村岡佑基さんのインタビュー記事を読むことをオススメします。
村岡佑基さんの記事はこちらから。


 

『農業を通して人々を幸せに』を掲げる『有限会社村岡オーガニック』。
花苗や野菜苗を生産し、主に農家の方・全国の小売店の方に対して販売しています。

今回は、営業・広報のお仕事を行う村岡朋典さんにお話を伺いました。

 


 

保育所のときの将来の夢は『農業』

村岡オーガニックの跡取りでもある朋典さん。保育所の文集に『将来の夢は農業』と書いたそう。

「ずっと親の背中を見てきましたからね。その影響が大きかったと思います。」

 

その後、鳥取大学農学部に進学し、農業を学んだ。お金を貯め海外にも行ったそうだが、それには明確な理由があった。

「1ヶ月間、オーストラリアに行きました。大学を卒業したら1年間オランダに農業研修に行くと決めていたので、その前に英語圏の国に行き、海外に慣れようと思って。」

 

楽しすぎて一度も仕事だと思わなかった

大学卒業後、在学中からの目標であったオランダに渡り、1年間の農業研修に参加した。

「兄がオランダの研修に参加した2年後に、私もオランダに渡りました。花苗の栽培をしている農家さんのもとで研修をさせてもらいました。兄の研修先の農家さんより規模が大きく、従業員数はパートさんも合わせると50人近くいらっしゃいましたね。」

「本当にいい経験をさせてもらいましたし、研修期間が楽しすぎて一度も仕事だとは思わなかったです(笑)」

「現地では沢山の友人ができ、いろいろな事に誘われたので1ヶ月先まで予定が埋まっていたこともありました。休日はボーイスカウトや地元のサッカーチームに誘われたり、ポーランドなどから来ている季節労働者の方の実家に行ったこともありましたね。」

 

オランダでの日々を過ごすうちに、朋典さんにある考えがよぎったそう。

「『このままオランダに残りたい』と思うようになりました。農場の社長に協力してもらい労働ビザ発給の申請をしましたが、許可は下りませんでした。結局日本に帰国することになったのですが、直前のお別れパーティーには、100人以上の友人や同僚が参加してくれました。嬉しかったですね。」

 

日本に帰国した後も、オランダで知り合った方たちとの交流は続いているという。

「オランダで知り合った友達が世界一周の旅行をしている時に連絡をくれて。『お前日本にいるのか?』と。私がちょうど忙しい時期で『鳥取に来てくれたら1日時間作るよ』と言ったら本当に鳥取に来てくれるんですよ。今までに2組くらい来てくれましたね。」

 

自分のことを知ってもらわないと、相手は心を開いてくれない

お話を伺っていると、明るい性格で友人が多い印象の朋典さん。人と接するときに心がけていることはあるのだろうか。

「基本的に人に興味があるんですよね。人と話すことも好きですし。」

「まず自分のことを知ってもらわないと、相手も心を開いてくれないじゃないですか。自分が知っていることとか、これまでやってきたことを話してみて、興味を持ってくれた人は心を開いてくれるし、興味を持ってくれなかった人はそれまでだし。それでいいんじゃないかな。」

 

営業は、お客さんとおしゃべりする感覚が強いですね

日本に帰国後、村岡オーガニックで仕事を始めた朋典さん。現在は、人当たりの良さを生かし、営業など外部との交渉全般を担当されている。普段どのようにお客さんとコミュニケーションをとっているのか伺った。

「県外で行われる展示会に参加し、そこで出会う小売店のお客さんに対して営業活動を行うことが多いですね。年に2回程度、東京・大阪・愛知などの都市部や、九州、広島、岡山、高知などに出張に行きます。

「仕事なのでもちろん数字は求められますが、無理やり商品を押し付けるようなことはしません。お客さんとおしゃべりする感覚が強いですね。何回か会ってお話をする中で仲良くなってきたら『もし良かったらウチの商品どうですか』みたいな。ガツガツ売りに行くとお客さんも引いてしまいますからね。」

「各地の方と顔見知りになっていく中で、誠心誠意対応すれば『村岡オーガニックって面白そうだな、喋ってみたいな』と思ってもらえる。そこから仕事に繋がることもあると思います。変な話、その場ですぐに商品が売れなくてもいいんです。」

 

広報を工夫すれば、売れるんだなって

村岡オーガニックでは、オリジナル品種のペチュニア『マドンナの宝石』を販売している。通常のペチュニアよりも大きく生長し、花数も多い。ジャパンフラワーセレクション実行協議会が主催する『ジャパンフラワーセレクション2010-2011』において、ペチュニアでは初の最優秀賞(フラワー・オブ・ザ・イヤー)を獲得した。

「『マドンナの宝石』の販売を始めた当初、あんまり売れなくて。『知名度を上げれば売れるようになるんじゃないか』と考え、コンテストに出してみたんです。そうしたら、あれよあれよという間に賞を取ることができて。以前『マドンナの宝石』を買っていただけなかったお客さんから、賞を取った後に『マドンナの宝石を売ってくれませんか』と問い合わせをいただきました。嬉しかったですね。広報を工夫すれば、良い品種は売れるんだなって。」

「『品種の開発に10年かかったけど、3年しか売れなかった』ではダメなんですよね。せめて開発にかかった年数は売れ続けないと。そのためにも、広報はとても重要だと思います。」

 

兄がアクセルだったら、私はブレーキかな

朋典さんは、兄である佑基さんとともに仕事をされている。2人の仕事のすみ分けや役割について伺った。

「兄は新しいことを考えたり、つくったりすることが得意ですね。私はそのサポート役かなと。兄がアクセルだったら、私はブレーキですかね(笑)

「兄が『新しく〇〇をやろう』と言った時に、私が『本当に〇〇で大丈夫?』と言ったりとかね。」

「私は兄よりも先に北栄町に帰ってきたんですが、当時は日々の仕事をするだけで精一杯で、どんどん疲弊してしまって。新しいことをする余裕がなかったんです。オランダで学んだことを会社に還元したかったのですが、それも簡単ではありませんでした。」

「兄が帰ってきてくれてからは、新しいことを考えたり試したりする余裕が徐々に生まれてきました。兄が帰ってきてくれて、本当に良かったですね。」

写真左が朋典さんの兄である、佑基さん

 

『村岡オーガニックで働いていて良かった』と思ってもらいたい

最後に、朋典さんのこれからの目標を伺った。

「会社や私に関わってくれる人を幸せにしたいですね。お客さんには商品を通して幸せになってもらいたいですし、弊社の従業員の方にも『村岡オーガニックで働いていて良かった』と思ってもらいたいです。」

「今の私や兄の仕事は『仕事を取ってくること』だと思っています。大変だった時期があるからこそ、仕事がある喜びは大きい。数年先が読めないこの時代で、新しいことをどんどん仕掛けていければ、と思っています。」

 


 

終始穏やかな雰囲気でお話をしてくれた朋典さん。柔和な表情の奥に、仕事に対する熱意を感じました。

現在、村岡オーガニックでは、ともに働く方を募集しています。詳しくはこちらをご覧ください。