「鳥取の中高生を大学生や社会人と繋ぎたい!」 鳥取大学 地域学部 地域教育学科4年 和泉克軌さん

◦熱血教師との出会いから教師を目指す
◦鳥取大学のだっぴに出会って
◦進路に悩む
◦岡山へインターン
◦これからやろうとしていること
◦後輩へのメッセージ

 

【インタビュアーからの一言】
お話ししていて、こちらと本気で向き合ってくださっていると感じました。
自分が夢中になれるものを見つけていて、教育に対してとても真剣な思いを持っています。
自身のやりたいことに対してはっきりとした熱意を持っている、リーダーのような方です。

 

【所属 名前】
鳥取大学 地域学部 地域教育学科 4年
だっぴ(現pump+it!)元代表
和泉克軌さん

 

高校の熱血教師との出会いから教師を目指す
~愛があって、生徒にすごく向き合ってくれる、その先生の影響で教師になろうかなと思いました~

角田:なぜ地域学部に進学したのですか?

和泉:小学校の先生になりたかったからですね。今は教員を志望していないけど。

 

角田:なぜ小学校の先生になりたかったのですか?

和泉:高校2年生の時の、金八先生みたいな「熱血教師」の影響があったからです。
高校受験で周りから無理だと言われていた学校に挑戦して、結局玉砕しちゃって。その時期はわりと病んでて、高1までモチベーションの低いまま過ごしてました。

だけど高校2年生の時に、今絶対いないような「熱血教師」に出会いました。その先生は話すのがうまくて、生徒に向き合う時間がめちゃくちゃ長い先生なんです。
僕と同じように高校受験で失敗した人たちのいるクラスの担任で、「上を目指せ!志望していた高校は落ちたけど、大学で見返してやれ!」と言われて、モチベーションが上がっていきました。

愛があって、生徒にすごく向き合ってくれる、忘れられない感じのインパクトの強い先生でした。その先生の影響で教師になろうかなと思いました。

 

鳥取大学のだっぴに出会って
~自分たちで作ろうという気持ち、走りながらこれは違うよねって、お互い言いたいことは言う、チーム感や距離感が良かった~

角田:高校で会われた熱血教師に憧れて、教師を目指されたのですね。小学校の先生から目標が変わったのはいつですか?

和泉:いつ頃からかは覚えてないけど、当時大学1年の時に鳥大のだっぴに入って、小学校の先生、英語の先生に何人かインタビューに行かせてもらいました。
インタビューに行ったことで、出会いがより多い「高校の先生」に変わりました。
あの熱血教師に出会い、自分の人生が変わったのが高校生の時だったから。

 

角田:鳥取大学のだっぴに入った理由を教えて下さい。

和泉:鳥取大学に入学後、もともとサッカーに興味があったのでサッカー部に入りました。
その後、新歓でたまたま「だっぴ」の名前を見て、「あれ?岡山だけじゃないんだ。」と思って行ってみました。
「岡山だっぴ*1 」に高校生の時、先生に勧められて行ったことがあったんです。
その新歓で、高校の時に「岡山だっぴ」に行ったと話したら、当時の代表の方に半ば強引に入れられました(笑)。サッカー部の練習とだっぴの会議がかぶっていなかったので、ちょうどいいやと思って入ったのがスタートでした。
でも、大学1年生の10月ぐらいにサッカーの練習でじん帯を切るケガをしてしまって、それから1年はリハビリしてサッカーは休んでました。

 

角田:だっぴのリーダーになった理由はありますか。

和泉:誰が良いかで決まった感じでした。自分からやりたいってことじゃなくて。
当時の代で誰が良いかってなった時、投票で全員一致の考えで決まりました。
肩書上はリーダーになっても、やることは変わらないから不安はありませんでした。

 

角田:鳥取だっぴの良いところを教えて下さい。

和泉:僕の代でいうと、自分たちで作ろうという気持ち、走りながらこれは違うよねって、お互い言いたいことは言う、チーム感や距離感が良かったです。
一人一人の当事者意識が高かったことや、やりながら失敗ができたところが良かったなあ。

 

進路に悩む
~教育実習でシビアな世界だと感じた~

角田:留学をされたそうですが、そこでどのようなことを経験されたのですか?

和泉:留学は3年生になる前の春、サッカーでのじん帯のケガも治っていた頃にアメリカのアーカンソー州に行きました。
当時は英語教師を目指していたので、留学は絶対した方がいい!と考え大学のプログラムで留学しました。留学に行く前にその国について調べたら、「白人差別+銃社会の街」だと聞いて、警戒して行ったんだけど、蓋を開けてみたらのどかなところでした。

ホームステイ先に銃が置いてあって、その家の人が狩りに行くぞ!と言ったので、僕は撃ってないけど、一緒に行かせてもらったりもしました。
いやあ、さすが銃社会だなあって(笑)。結構アバウトな地域でした。
現地の大学の語学学校には、けっこう色々な国から来た人達もいて、文化の違いを肌で感じました。

 

角田:進路で悩んだ理由を教えて下さい。

和泉:教員を悩んだ理由は、単純に留学に行ってもそんなに英語力が伸びなかったからと、教育実習でシビアな世界だと感じたこともあったからです。「教員はブラック」と言われていましたが、実習でそれを感じました。
僕のやりたいことは教育に関すること、まず、自分がやってきた「だっぴ」を中高生を対象にやってみることでした。

 

岡山へインターン
~自分がやっていただっぴを鳥取の中高生を対象にしてやってみたかった。それは岡山にインターンに行けばできると思いました~

角田:岡山にインターンに行った理由を教えて下さい。

和泉:自分がやっていただっぴを鳥取の中高生を対象にしてやってみたかったからです。
それは岡山にインターンに行けばできると思いました。
岡山では中高生向けのだっぴ活動をばんばんやっていたから、そのノウハウを学びたかった。そして、鳥取の中高生のだっぴをすることが目的でした。

「岡山だっぴ」はインターンの受け入れをしてないところだったのですが、自分でそこにお願いしに行って、インターンのチャンスを掴みました。
そして3年生が終わったタイミングで休学して、インターンに行きました。

 

角田:インターンをして変わったことは何ですか?

和泉:だっぴ活動のノウハウを学べたところは良かったな。
でも、良くも悪くも所詮は学生。インターンだから、社会人よりも責任が軽いし、社会人にならないと分からないこともあったと思います。
岡山ではだっぴ活動をばんばんしていたので、鳥取ではまだまだなんだなと肌で感じました。

だっぴ活動はあくまで教育に関わるため、中高生と関わるための手段の一つですが、この「岡山だっぴ」は、僕にとって帰りたい場所、好きな場所になりました。

 

これからやろうとしていること
~まずは「青谷高校だっぴ」! 何か鳥取に残していきたい~

角田:大学卒業後も鳥取に残りますか?

和泉:はい。卒業してすぐは鳥取にいようと考えているけど、ずっとはいないかな。4~5年したら岡山に帰ろうと思っています。
今はまだ、岡山で学んだことを鳥取に還元できていませんから。

 

角田:これからやりたいことを教えて下さい。

和泉:自分がだっぴで培ったことを鳥取で還元したいです。そして、鳥取全体がもっと繋がってほしいです。どういう形かはまだ分からないけど、何か鳥取に残していきたいです。

直近では、9月に「高校生だっぴ」を開催する予定です。これが鳥取での初めての「だっぴイベント」になります。そこに今一番力を注いでいます!
青谷高校の依頼で、一年生に向けてひらきます。
コーディネーターは僕で、鳥取環境大学の学生と一緒に計画します。企画は岡山でのインターンで形は分かるから、プログラムをこれから考えていきます。

「岡山だっぴ」は学校のキャリア教育の一環として、正式にだっぴ活動を行っています。
「pump+it!」は、大学生が大学生の為にやるんだけど、「岡山だっぴ」は基本的には中学生のために。

鳥取では中高生と大学生が関わるイベントが全く無いので、とりあえず青谷高校生だっぴからやりました!
その後はどうなるかまだ分からないです。

 

後輩へのメッセージ

角田:最後に、後輩へ一言お願いします!

和泉:大学生は、やろうと思えば何でもできる期間だと思います。自分の興味・関心を大切にして、何でもとにかくやってみることが大切かなと。実りある大学生活になることを応援しています!

 

角田:ちなみに、私のように講義ですぐ寝てしまう人は、今後どう学生生活を送ったら良いのか教えていただけないでしょうか・・・。

和泉:自分の興味ない授業が、将来の自分のやりたいことに直接繋がってなくても、巡り巡って繋がってなくもない。
興味ない、関係なくても自分の中でどれだけ意味づけをしたり、繋げられるかだと思います。
分からないことは自分から聞いてみてほしい。例えば、もし受けている授業が意味の無いように感じたら、教授にその気持ちをぶつけてみるのも良いと思います。

 

 

和泉さんありがとうございました! 

和泉さんは自分で考え、目的を持って学生生活を送られている方なのだなと思いました。和泉さんのようにこれがやりたいと言えるように自分の考えを具体化していきたいと思います。

そして、講義中に寝たりせず、この貴重な大学生活を、自分なりの思いを持って後悔の無いよう過ごしたいものです・・・。

インタビューさせていただきありがとうございました!これからも和泉さんを応援しています!

 

 

 

インタビュー・文責:角田 議事録:木下

*1:「地域で主体的に行動する大人」と「自分のあり方を模索している未来を担う若者」とがつながる場所を学生、社会人を対象に作り出す活動をしている認定NPO法人。 「NPO法人だっぴ」より